文化の違いを楽しめる「月(ゆえ)とにほんご」(その2)
2017-09-21


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「月(ゆえ)とにほんご」 中国嫁日本語学校日記
井上純一 (著), 矢澤真人 (監修)
アスキー・メディアワークス 952円

続きです。

監修の矢澤真人(やざわまさと)さんは、
国語学博士で筑波大学の教授です。

この教授のコラムが時々はさまる。
これがまた面白い。

例えば、
言葉の使い方が正しいかどうかを判断するのは、実はかなり難しい。
個人や時代や地域によって言葉の使い方には違いがあるから。
国語学とは「正しさ」を決める学問ではない。
人と言葉のつきあい方を考えているに過ぎない。

日本語学校では、年に2回、日本語能力試験がある。
この試験は、
「日本国際教育支援協会」と「国際交流基金」という
団体が主催する、世界最大規模の日本語試験です。
N5からN1までランクがあって、
日本語学校で問題になるのは、N3からN1。
N2は基本。
メインはN1試験。

なぜ皆、N1を目指すのか?
大学入試や専門学校の入試で内申書にプラスになるのは、
N1だけだから。
N2以下は、取っても飾りみたいなもの。

月(ゆえ)さんが日本に来て驚いたこと。
野菜の大きさが全部同じ。

なんでカタカナありますか?
私の知てる留学生、皆、困てます。
一種類で十分です。
ひらがなとカタカナの使い分けが、またく分からない。

こんな日本語学校の生徒さんたちは、
2011年3月11日の東日本大震災の後、
次々に帰国していき、月さんも日本語学校をやめたそうです。

著者の実体験に基づく、このお話。
「中国嫁日記」というシリーズがあるそうなので、
そっちも借りて読んでみようと思います。

この項、終わり。
[読書]

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