少年Mのイムジン河
2011-11-08


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「少年Mのイムジン河」
松山 猛 著 木楽舎  1,000円(952円+税)

著者の松山猛は、
フォーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」を作詞した人だそうです。
「イムジン河」という曲は、
「帰ってきたヨッパライ」に続くシングル第2弾として発売予定だったが、
発売前にラジオで同曲を流したところ、レコード会社が突然、発売中止を決めたそうです。

著者が中学生のときに「イムジン河」の原曲を知った。
そしてその頃は、ベトナム戦争の真っ最中だった。

p.34
中学生の僕には、直接できることがないのでしょうか。
人と人のあいだには、渡ることのできない「イムジン河」が
数え切れないほどあるのだと考えました。

p.65
長いあとがきのなかで、
朝鮮半島の軍事境界線を実際に見に行った著者が、こう言う。
「「イムジン河」は、まだ終わっていない物語だったんだね。
ここまで連れてきてくれてありがとう。考えなきゃいけないことで頭がいっぱいだよ。」
「イムジン河」が発売中止になって、もう四半世紀のときが流れていた。
でも結局のところ、半島の状況は何も本質的には変わってはいないのだ。

p.67
世界ではソビエト連邦が崩壊し、東西ドイツのあいだのベルリンの壁が壊れ、
ドイツが統一を果たしたりと、冷戦の時代が終わったにもかかわらず、
我々の国日本にもっとも地理的に近い朝鮮半島は分断されたままであること。
・・・東アジアに残された、さまざまな現実を、次の世代に気付いてもらわなければならない・・・

p.69
世界は絶えず混乱し、不信に満ちている。
我々の時代に、解決すべきは解決の努力をしてみよう。
そしてそれでも時間が足りないのなら、
せめてその夢を子供たちと、その未来の子供たちに託そうじゃないか。


「イムジン河」

松山 猛 訳詞、 朴世永 原詩、 高宗漢 作曲

イムジン河 水清く とうとうと流る
水鳥 自由にむらがり 飛び交うよ
我が祖国 南の地 想いははるか
イムジン河 水清く とうとうと流る

北の大地から 南の空へ
飛び行く鳥よ 自由の使者よ
誰が祖国を 二つに分けてしまったの
誰が祖国を 分けてしまったの

イムジン河 空遠く 虹よかかっておくれ
河よ 想いを伝えておくれ
ふるさとを いつまでも忘れはしない
イムジン河 水清く とうとうと流る


[読書]

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